2019年 04月 10日
20190228柳本小百合&富山優子@下北沢音倉 |
二月末日氷雨そぼ降る下北沢音倉に柳本小百合を。ちょっきりさんの16分音符に強弱を伴う躍動感が。グランドピアノならではか。調律もばっちりで、いつもなら割り算の余り的なものを感じる所がスッと進む。大曲の気球に乗っても、重くならない。夜の子供たちでは声の伸縮に寄り添うピアノの柔軟な響き。
久しぶりの富山優子、フォーマルハウトが圧巻の一言。岩礁に落ちているフジツボのついた石を磨いていくと、次第に赤銅の鈍い金属色が浮かび出てくるような重層性が、などという小賢しい言語化を叩き潰す引き波が心をさらっていく。この曲を聴くために自分は存在しているのだと納得する。エアの可憐さ。
最後は2重奏でフォーレの連弾作品改変を。めくるめく和声のそこかしこに、二人の作品への伏線らしきものを感じつつ、初めて聞く曲ながらいかにもなこの作曲家らしさも同時に。サノハナの追いかけっこで増幅される音の効果。会話からの即興からのテクニカルで幾何学的なじょうろ仕業では、休符の妙が。
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by hikat_ykhm
| 2019-04-10 16:31